そんなに見ないで、
入学式
そして、手紙のおじいさんの言っていた通り、銀色の靴を履いて「学校へ」と言った結果。
靴から煙や星がキラキラと飛び交い始め、彼女は目をギュッと瞑った。
目を開けてみると学校の校門の目の前にいた。
もう少しただの施設みたいな胡散臭い場所に行くのかと思ったら、意外とまともな学校じゃない。
と呆けて見ていると後ろから肩を叩かれた。
振り向いて見るとそこには、専属護衛の四月一日 清弥(わたぬき しんや)がニコっと白い歯を見せていたずらっぽく笑って「よっ。」と言ってきた。
彼の姿をよく見ると、学校に入っていく新入生達と同じ真新しい学生服を身にまとっていた。
「シン、あなたは今年で20になるのよ?あなたの場合のそれは…。」
彼女は清弥の姿を上から下までくまなく見てから、目線を合わせて、すました顔で
「コスプレよ?」
と嫌味ったらしい言い方で言った。
清弥は手で口元を隠して、顔を横にそらして、目をぎゅっと閉じて深呼吸をした。