そんなに見ないで、
麗も続いて中に入ると、そこは男性にとっては入りづらい可愛らしいインテリアで溢れていた。
確実にこの店はカップル専用か女性同士で来るのが妥当な店だった。
「今なら引き返せるわよ?」
「何度も何度もうるせぇな!」
清弥はそう言って窓際席にドカッと座った。
麗はその前に座るとチョコケーキとチョコムースを頼んだ。
「それ、強制的に半分こなパターン?」
「そうよ?」
清弥はため息をつくと、一緒に紅茶を頼んだ。
「そういえば、あなたは買わなくてよかったの?教科書類」
「あれ?気付いてませんでしたか?俺の分も実は入れさせていただいたの。」
麗は驚いた顔をして、清弥の後ろにある教科書たちの山を見た。
「だからね?やたらと値段が高かったの。」
清弥はしてやったりな意地の悪い顔をして麗を見た。
すると、頼んだケーキとムース、紅茶がやってきた。
「ダージリンでしょうね?」
「もちろんですよ。」
清弥は紅茶を注ぎながらドヤ顔で言ってのけた。