今日も鈍感な君に振り回されて
嫌になったから避けてるんでしょ?
家に着いて、自分の部屋で横になっていた。
あまり物を並べたり、飾るのが大嫌いな俺。
だから必要最低限のものしか置かれていない、そんな部屋が更に俺の心を寂しくさせる。
『由香、今頃、電話してんのかな……』
ポツリ、呟く言葉は寂しい部屋に吸い込まれていき、俺はため息をつく。
『諭!諭!』
部屋のドア一枚隔てたところから母親が俺の名を呼ぶ。
『何!?』
つい怒鳴るように聞き返してしまった。
でもそれに構わず母親は部屋のドアを許可なしに勝手に開けて、勝手に入ってくる。
『あんた、今日、由香ちゃんと一緒じゃなかったの?』
母親の問いかけに俺は首を前に突き出す。
『今日は別々だったけど?』
『由香ちゃん、まだ帰ってきてないんだって!
あんた、何か知らない?
由香ちゃんに何かあったとか…』