今日も鈍感な君に振り回されて
マジで学校にいなかったら、
あんのバカ女……
辿り着いた、見慣れた校舎。
でももちろん、こんな時間に門があくなんてことなくて。
俺は門をよじ登り、なんとか敷地内に侵入する。
いや一応はここの生徒なわけだから、“侵入”はおかしいか…
そんな冷静なことを考えていられたのも束の間。
段々と近づく校舎は昼間の見慣れた校舎とは違って、まるで闇に吸い込まれてしまいそうな、そんな雰囲気だった。
『……ハズレ、じゃね?
由香、暗いとこ苦手だし……。
てか、俺が薄気味悪くて嫌なんだけど』
由香が学校にいる確証なんてない。
ただ、ここしか思いつかなかっただけで…。