今日も鈍感な君に振り回されて
案の定、玄関だってしっかりと施錠されていて中に入ることは出来ない。
『…どうすっかな……。
どっか入れるとこ…』
そういえば確か、北校舎の一階の窓…
野球部が練習中にガラスを割ったとかで確か修理をお願いしてたはず!
今度の月曜に修理してもらうとか、HRで担任が言ってた、つまりそこからなら校舎に入ることも可能なんじゃ……
俺はひとまず北校舎の方へと移動する。
割れた窓ガラスまでやってくると、やはりブルーシートで窓一面を覆っているだけで、ブルーシートさえ取ればなんとか…
『……傷だらけになる、けどな………これ』
割れた窓ガラスはあちこちにガラスの破片が散らばっていて、そして割れた個所は尖ったガラスだらけ。
俺達でギリギリ通れるかな、っていう感じだけど、まぁ下手すれば切るね、これは……。
『とりあえず……よっこいしょっと』
掛け声とともに慎重に窓ガラスからの侵入を試みる。
『………いて……』
窓ガラスはなんとか無事に通過できたものの、校舎の廊下は細かい破片がいくつか散らばっていて、着地した際に床に手をついた時、切ってしまったようだ。
『……なんか、俺……最悪な気分……』
とりあえず口で傷口を舐め、俺は暗い、暗い廊下を進んでいく。