今日も鈍感な君に振り回されて
こんな薄気味悪い校舎に由香がいる訳ない…
でも不思議と足は自然にいつもの教室に向かう。
『……いるはずないんだけど…』
そう呟きながらも教室の出入り口から中を覗くと……
『……わぁ!』
出入り口から覗いた瞬間、見覚えのありすぎ、いつもの椅子に座り、机に突っ伏している人影…
え、そこ…
俺の席、なんだけど。
……幽霊……?
おいおい、マジで勘弁してくれよ!
『……うん……』
寝ていたのか、そんな声と共に起き上がり、まだ眠たいのか目を擦る人影…。
『あれ……。
私、いつの間にか寝ちゃったんだ……
って、真っ暗じゃん!』
聞き覚えのある声、そう思った瞬間に恐怖という感情は消え失せていき、代わりに怒りがふつふつと沸いてくるようだった。
『由香』
俺の呼びかけに、こちらに振り向く、その人影。
『……さ、諭…?』