今日も鈍感な君に振り回されて




『…そっか。

 諭、その子のこと、そんなに好きなんだね』




そう言って由香は俯いた。




この反応はどう受け止めればいいんだろうか…。




『由香…?』




俺の呼びかけにも反応しない、由香。



この様子は少々期待してもいいのか?



いや、由香のことだ、多分違う。






『その子、そんなに想われて幸せだね』






え?



え?




なんで俯いたまま話す?




俺、自意識過剰なのか?


だから俯いて話す由香がもしかしたら俺のことを…とか考えちゃうのか?




もちろん由香が俺に対して好意を持ってくれてるなら嬉しいんだけど。






『由香、お前さ…
 どういう意味でそんなこと、言ってんの?

 てか…顔、あげれば?』





俺の言葉に遅れて、ユックリと顔を上げる由香。



目と目が合う。



由香は笑っていて。

でもどこか困ってるような、そんな感じもした。







『その子は沢山想われてていいなって。

 私は…万年、片想いのままだから…』











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