遠い記憶の中で
普通小さい子供をスキー場なんかに連れてきたら、ずっと誰かが一緒にいるはずだが、なぜか記憶の中の私は、一人で遊んでいた。


家族はそれぞれスキーをやっているのだ。



私は誰か知らない女の子に誘われ、一緒に鎌倉をつくる事になった。



作っている時の記憶はなく、あっと言う間に小さな鎌倉ができ、私とその子は笑いながら一緒に中に入っている。


普通、小さい子がたった二人で、そんな簡単に鎌倉なんか作れるだろうか。



彼女は、私と同じくらいの年なのに、なぜか少し大人びていた。



そしてその子の名前も話した事すら分からないまま、その子の祖父が現れ、彼女は帰ってしまった。


私は、その子がそこの地元の子だと、なぜか思った。

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