遠い記憶の中で
もう知っているのなら、嘘をつく必要もないだろうと思ったまでだ。


なんの罪悪感も感じていないという風な私の返答が頭にきたのだろう。


彼女は私に掴みかかってきた。


しかし、彼女はフェンスギリギリにいた私を通り越し、そのまま屋上から落ちてしまった。


そんな事ありえるのか・・・・と私は思った。


確かに私は少し避けた。


だが、フェンスは私達の胸の高さくらいまである。


いや、あったはずなんだが、私が見た瞬間、そのフェンスは少し触ったら取れてしまう状態だったのだ。



フェンス取替え作業中。


屋上立ち入り禁止。の張り紙は私は屋上から中へ戻る時に見つけた。



私はその日、そのまま下校した。



罪の意識もなく、無心だった。
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