遠い記憶の中で
私の新しい小学校での最初の記憶というのは、鉄棒の所からみんなが休み時間にバスケットボールをしている記憶だ。


私はみんなと一緒に遊びたかった気がする。


でも、やはり新しい子には誰も話しかけようとしてこなかった。


そしてその日の帰り、同じクラスの祥子ちゃんが話しかけてきてくれた。


なんと、一緒に帰ろうと誘われたのだ。


私は嬉しくって、祥子ちゃんと夢中でお喋りをした。


本当はものすごく寂しかったのだ。


祥子ちゃんはどっちかと言ったら大人しい方の子だったが、私と一緒の時はたくさん笑っていた。


私たちはいつも一緒にいた。


私たちは休み時間になると、いつも体育館へ行ったり音楽室でピアノを弾いたり、立ち入り禁止の屋上へこっそり上がってみたり、教室以外での記憶が多い。


きっと、私たちは教室で居心地が悪かったのだと思う。


だって、私たちはお互いがいれば良かったし、他の人と友達になろうとしなかった。


その代わりに、みんなも私達に興味を持つことはなかった。
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