俺様社長の飼い猫
その怖い顔に一歩後退り。

「…社長がそう呼べと?」
その言葉にコクコクと頷いた。

東郷社長はなんか違うし、紫音は、私に、名前を教えてくれた。

と、言うことは、そう呼んでも構わないということだと、勝手に解釈している。

「…社長を下の名前で呼ぶ人を初めて見ました」
「…へ?」

安堂の言葉に、キョトンとした。

「…いえ、すみません、こちらの話です。スズさん、少し時間があるので
この辺の地理をお教えしておきましょうか?迷子なんかになられると、社長が心配するので」

「…いいんですか?」

「えぇ、それに、忠告しておきたい事もありますので」

その言葉に、ゴクッと息を呑んだ。

…安堂は、私の事をよく思っていない。

当たり前だけど、何を言われるのかと思うと気が気じゃなかった。
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