俺様社長の飼い猫
緊張したまま、安堂が運転する車に乗って、マンション周辺を案内してもらう。

その間、安堂は説明してくれるだけで、忠告らしい言葉は一言もなかった。

一通りの事を覚えた私を確認した安堂は、またマンションに車を戻した。

「…ありがとうございました」

そう言って一礼する。

「…忠告です」
「…」

突然の忠告宣言にビクッとなる。

「貴女が何時までここに居座るつもりか知りませんが、早目に出ていく事です。

東郷社長は、大変大きな会社の社長です。無駄なスキャンダルはご法度。

…それに、もし、貴女が社長を好きになるような事があれば、貴女が傷つくことになりかねない。

そうならない為に、早くここから出て行く事を私と約束して下さい」

真剣な表情で言われ、頷くしかなかった。

…そんな事、言われなくてもわかってる。

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