俺様社長の飼い猫
…気がつけば、オレはいつの間にか、行動に移していた。

「しゃ、社長!何をなさっているのですか⁈」

運転手兼、秘書である安堂が、オレの行動に、当然ながら驚いている。

「…連れて帰るんだよ」
「なっ⁈…何処の馬の骨だかわからない女をですか?」

「…他に、言いたい事は?」
「…」

オレの冷たい眼差しに、安堂は口ごもり、また、前に向き直った。

…間もなくして、車は走り出した。

「…名前は?」
前を向いたまま、女に問いかける。

「スズ…」
小さな声でそれに応えた。

「…そうか。…安堂」
「はい?」

「お前の嫁さんに、適当に、服を買ってくるよう頼んでくれないか?」

「…は⁈」
「…頼む」

少し考えた安堂だったが、なんとか頷いてくれた。

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