俺様社長の飼い猫
「…おい⁉︎どうしたその傷!」

そう思ったのは一瞬で、直ぐに我に返った。

…オレの目に映ったのは、相変わらずの泣き顔のスズ。

…しかし、どの泣き顔とも違ったのは、頬に擦り傷。唇の端は、切れて血が出ていた。

怒りが込み上げた。

こんなに愛らしいスズに、こんな事をした輩が許せなかった。

オレは直ぐさまスズを抱き締めた。

「一体何があった?」
「ごめ…」

「お前は謝るような事を、オレにしてないだろ?」

優しく問いかける。

「ここに来たら…紫音さんに、迷惑」
「バカ。迷惑なんかじゃない…それより、傷の手当をしよう」

少し震えるスズの肩を優しく掴み、リビングへと連れて行って、ソファーに座らせると、傷の手当をした。
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