俺様社長の飼い猫
傷の手当が終わると、オレは、スズの横に静かに腰を下ろした。

まだ少し震えるスズの背中を優しく撫でる。

「…こんな目に合わせたのは誰だ?」
「…」

オレの問いに、スズは答えようとはしない。

…相手を守ろうとしているのか?

そう思うと、なぜか、心がギュッと苦しくなった。

「…スズ。初めてお前に出逢った時も、そして今も。オレから見たら、スズが不幸にしか見えない」

…その言葉に、スズは静かに涙を流した。

「会って間もないオレたちだ。信用出来ないのもわかる。だが、オレは、本気でスズを守ってやりたいと思う。

こんなことをする奴から、スズを救い出したい。

…だから、全て、話してくれないか?」

スズの手をギュッと握りしめ、スズの目を真剣に見つめた。
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