俺様社長の飼い猫
しばらく、スズは黙り込んだまま、オレの顔を見ていた。

…。

そして間もなくして、スズの口から、今迄の経緯が、ポツリ、ポツリと、明らかになっていく。

…就職先の上司と付き合い始めたこと。

…初めての彼氏だった事。

…優しかった彼氏が、間もなくして、言葉の暴力が始まり…エスカレートして、体への暴力に変わった事。

…それを聞いて、憤りを感じずにはいられなかった。

…話終わる頃には、スズはしゃくりあげながら泣いていた。

そんなスズをオレは力強く抱き締めた。

「…もう、独りで苦しまなくていい。オレがいる。…そんな男の所に、帰る必要はない。ここにいろ。必ず守るから…

スズ…うちの会社に来るか?」

「⁈」

思ってもみない言葉だったに違いない。

スズは、目を見開いてオレを見た。
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