俺様社長の飼い猫
「…会社に行けば、そいつに会うんだろ?離れる為にしてやれるのは、それくらいの事なんだが」

そう言って、スズを見つめると、スズは困惑顔で、オレを見た。

「…今の会社が気に入ってるのか?」
「…あの」

「…ん?」

ふぅと、溜息をついたスズは、意を決したように言った。

…小さな声で。

「…同じなんです」
「…彼氏とだろ?」

「…それもそうなんですけど、あの…
…紫音さんと」

「…え??」

「あの、私…東郷エンタープライズで、働いてるんです」

そう言って、俯いたスズ。

…オレは、驚き過ぎて、言葉を失った。

誰が思う?同じ会社で働いていたなんて…

「…ごめんなさい…あの、やっぱり、ここ、出て行きます。私の事は忘れてください!」

スズはスッと立ち上がり、部屋を出て行こうとした。
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