俺様社長の飼い猫
他人のキッチン。どこに何があるか、さっぱりわからない。

「…ほら、これとこれ」
「…ぁ」

コーヒーセットを置いてくれた。そして、キッチンのどこに何がしまってあるのか紫音は教えてくれた。

…無事にコーヒーを淹れ、紫音に渡すと、ニコリと微笑んだ。

「…ありがとう」

その言葉に、笑顔で首を振る。

コーヒーを飲みながら、新聞を読む紫音。

私は、自分の身支度を始める。

身支度が終わり、リビングに向かうと、紫音はカバンを持ち、仕事に向かうところだった。

「…いってらっしゃい」
「あぁ、行ってくる…スズ」

「…何ですか?」
「…スッピンも可愛いが、少しだけ、化粧はした方がいいな。…身だしなみとして」
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