俺様社長の飼い猫
「…オレが知らないとでも思ったか?」
「…⁈…ご存知だったんですか?」

「当たり前だ。オレを誰だと思ってる?」

「…申し訳ございません。要らぬ心配でした」

オレの言葉に、安堂は素直に謝罪した。

…勿論、役員の動きは、全て把握してる。いくら、水面下で動いても、全て分かるように人選している。

「…安堂」
「…はい」

「…お前には、いつも苦労ばかりかけてるな。悪い」

「…東郷社長、熱でもあるんですか?」

丁度赤信号で停車した車。
安堂は驚きの眼差しでオレを見た。

「あるわけないだろ」

不機嫌に答える。

「…すいません、でも、東郷社長が、自分の気持ちを素直に言われたのは初めてだったので、つい」

「…」
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