俺様社長の飼い猫
…それから約2時間、紫音が帰ってくるまでに、安堂から、紫音がどんな人なのか、聞かせてもらった。

『冷徹で残酷』

その噂は、あながち間違いではなかったようだが、でもそれはすべて、会社の為、この会社で働く社員達の為だと言う事も分かった。


「…社長は」
「・・・え?」


「貴女に、優しいですか?」
「・・・はい、とても」

安堂の言葉に、素直にそう答えた。

「・・・そうですか。…社長は、貴女といる時が「…たった二時間の間に、随分仲良くなったみたいだな」

リビングの入り口から、少し不機嫌そうな顔をした紫音が呟いた。

それを見た安堂は、フッと笑みをこぼす。


「・・・何が可笑しい?」
「いえ、別に・・・コーヒーごちそうさまでした」

安堂が私を見てそう言って微笑んだ。

「いいえ、一緒にいていただいて、安心できました。ありがとうございました」

そう言って一礼すると、安堂は私と紫音に一礼し、玄関に向かっていく。


それを、紫音は後を追っていった。
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