俺様社長の飼い猫
「…悪かったな」

「いえ、色々お話しで来てよかったです。…社長」
「・・・なんだ?」

「社長が彼女を放っておけない気持ちが、少しわかった気がします」
「・・・・?」

「大事な猫なら、とことん、守り抜いてください」
「…安堂」


意味が分からないと言った顔で安堂を見る紫音。

「それではまた明日」

安堂は紫音に、深々と頭を下げて、マンションを後にした。

・・・この時の二人の会話を、私は知らない。


「…お帰りなさい、紫音さん」

そう言って微笑めば、紫音は少し驚いた顔をしたので、私は慌てて取り繕う。


「エッと、だって、さっき、言えてなかったから…」

「…フ、そうだったな。・・・ただいま」

紫音の言葉に、安堵したように微笑む。

すると紫音は、私を自分の方に、手繰り寄せた。


「…スズをオレだけのモノにしたい」
「紫・・音さん?」

紫音の腕の中で、ただただ驚く。

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