俺様社長の飼い猫
どんな表情も仕草も、今迄出逢ったどの女とも違う。

作った表情や仕草じゃない。素の表情や仕草。

それがどれも、初々しい。スズにしか出来ない事だと思う。

スズとの毎日が平凡だけど、幸せで、いつしか、永遠に、スズと一緒にいたいと思うようになって…結婚も意識し始めた。

…そんなある日。

スズの様子がなんだかおかしいと思うようになった。

…無理に、笑顔を作っている。オレが抱き締めると、泣きそうな顔になる。でもその顔は、オレに見られないように隠そうとしている。

…スズに一体何がおきたのか?

…オレといることが、苦痛になったんだろうか?



「…スズ、オレに隠し事はないか?」
「⁈…ま、まさか」

明らかに、声が上ずった。
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