俺様社長の飼い猫
「…なんでしょうか?」

平静を装って問いかけるが、足も手も、震えていた。

「今から言うこと、よ〜く聞けよ」
「…」

「一度しか言わない…
社長と別れろ。そして、社長の前から姿を消せ」

「なっ…」

言い返そうにも、なんと言ったらいいかわからなかった。

「社長とスズとの関係が、副社長にバレた」

「…え?」

「…今、社長をどうにか引きずり降ろそうと、副社長は躍起になってる。…スズが傷つけられるところは見たくない」

…私を散々傷つけた柏木部長が言う言葉だろうか?…私をはめようとしてるのかもしれない。

私は、疑いの目で、柏木部長を見た。

すると、柏木部長は、深い溜息をついた。
< 55 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop