午前0時の恋人契約



「えっ……ええええ!!?」



驚きから大声をあげると、周囲の人々は何事かとこちらを見る。けれどそれを気にする様子もなく、岬課長は私の腕を引き歩き出した。



「わっ、えっ、あのっ!?」

「とりあえずここにいても話が進まないから行くぞ」

「い、行くって……どこにですか?」

「決まってるだろ。ふたりきりになれるところ」



ふ、ふたりきりに!!?

戸惑うものの、腕を引っ張りずかずかと歩く彼に抵抗することも逃げられることもなく、ただついていくしかできない。



ど、どうして岬課長がここに……そしてふたりきりになれるところでなにを……。

ていうかそもそも、どうして岬課長がレンタル彼氏に……!!?



なにひとつ理解出来ないまま、考えれば考えるほど頭はパニックに陥ってしまう。



なんで、どうして、なぜ……

どういうことーーー!!!?




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