口元に微笑みを
……話を部活に戻そう。私はこの体格を生かし、小学校でチューバという大きな金管楽器を演奏し、中学校では文芸部だったのに、演劇部に助っ人として参加したりしていた。なんでって?それは、男役で。
当時、私の中学校の演劇部には男子が1人しかおらず、女子も男役にぴったりな高身長な子はいなかったのだ。そこで、ストレートのショートヘアだった、ガタイの良い私が抜擢されたというわけだ。
初めは私も戸惑った。演技なんてやったこともなかったし、人前に出るのも苦手だったからだ。でも押しては引いて勧めてくる演劇部員達の熱意に負け、部室に行ったが最後。瞬時に男装させられ、『かっこいい〜!!』という黄色い声に包まれていた。最終的には『宝塚みたい』との声にときめいてしまい、気がついたら男役の演技にはまりこんでいた。
最後の大会の時には正式な部員となっており、主役を任された。結果はなんと、県で2位。惜しくも関東大会は逃したが、私にとっては最高の舞台だった。
本業だったはずの文芸は奮わず、内申書には演劇部としての輝かしい成績が残ったのだった。
当時、私の中学校の演劇部には男子が1人しかおらず、女子も男役にぴったりな高身長な子はいなかったのだ。そこで、ストレートのショートヘアだった、ガタイの良い私が抜擢されたというわけだ。
初めは私も戸惑った。演技なんてやったこともなかったし、人前に出るのも苦手だったからだ。でも押しては引いて勧めてくる演劇部員達の熱意に負け、部室に行ったが最後。瞬時に男装させられ、『かっこいい〜!!』という黄色い声に包まれていた。最終的には『宝塚みたい』との声にときめいてしまい、気がついたら男役の演技にはまりこんでいた。
最後の大会の時には正式な部員となっており、主役を任された。結果はなんと、県で2位。惜しくも関東大会は逃したが、私にとっては最高の舞台だった。
本業だったはずの文芸は奮わず、内申書には演劇部としての輝かしい成績が残ったのだった。