君と恋した記憶~どんなに遠くても、君が好きだ~
[美緒へ
    
 流也から聞いたと思うけど、記憶障害のこと隠していてごめんね。美緒は私の大事な心友なのに、美緒を傷つけるのが怖くて、なかなか言い出せなかった・・・・・・。

 美緒が今この手紙を読んでいるってことは、私はもう、美緒の傍にはいないってことだね。すごく悲しいけど、私は高校時代、美緒に会うまで友達が一人もいなかったんだよ?知ってた?

 私は高校に入ってからずっと、流也のことが好きだった。告白したくて、どうしようか迷っていたけど、相談できる友達が一人もいなくてさみしかった。でもね、そんなとき、美緒がいたんだ。

 美緒は、小学生レベルの計算問題が全く分からない私に、勉強を教えてくれたよね。
孤独な私に、優しく話しかけてくれたよね。

 私は、そんな優しい美緒が大好きだった。
今もずっと、大好きだよ。

 でも、月日が経つにつれて、記憶がどんどん薄れていくの。
美緒のことを忘れてしまいそうで、とっても怖かったの。
美緒のことは、絶対に忘れたくない。大事な心友を、絶対忘れたくないと思っていた・・・・・・。

 私・・・・・・どうして記憶障害になっちゃったんだろう。
神様は意地悪だ・・・・・・。

 私だって、こんな苦しい想いしたくないのに・・・・・・こうなっちゃったから、仕方ないよね・・・・・・。


 ねえ、美緒。
最後に、私のお願いを聞いて・・・・・・。

 私がこのまま死んでしまったら・・・・・・生まれ変わって、またどこかで出会おう・・・・・・。

 美緒は、世界で一番の私の大事な心友だから、絶対会えるよ・・・・・・。
生まれ変わって、また出会えたら・・・・・・今よりもっと、仲良くなろうね。
制服デートとか、恋バナとか・・・・・・できなかったこと、たくさんやろうね・・・・・・。

 私がいなくても、美緒はきっと、大丈夫だよね・・・・・・?
私は、美緒の心の中にずっと、いるからね・・・・・・。
辛いことがあったら、私のことを思い出して、元気になってほしいな・・・・・・。


 じゃあね、美緒。世界で一番の私の心友。
大好きだよ・・・・・・。


               綾羽より]
< 146 / 172 >

この作品をシェア

pagetop