君と恋した記憶~どんなに遠くても、君が好きだ~
[綾羽SIDE]













私は、狭い路地へ駈け込んで、座った。


「ハア・・・・・・ハア・・・・・・。」


つ、疲れた・・・・・・。

・・・・・・流也、怒ってた・・・・・・。

・・・・・・そんなことより、さっきの深いキスの感触が、口の中にまだ残ってる・・・・・・。

りゅ、流也の舌が、私の口の中に入ってきた・・・・・・。

気持ち悪かったのに・・・・・・嫌じゃなかった・・・・・・。

まるで・・・・・・愛しさのカケラもない、乱暴で、悲しいキスだった・・・・・・。


「・・・・・・ううっ・・・・・・う・・・・・・。」


こらえていた涙があふれ出した。

もう・・・私は、すべての記憶を失うんだ・・・・・・。

流也のこと・・・・・・忘れちゃう・・・・・・。



もう・・・・・・こうするしかなかった・・・・・・。

こうするしかなかったの・・・・・・。
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