君と恋した記憶~どんなに遠くても、君が好きだ~
美緒と藤樹の名前を忘れているなんて・・・・・・。

俺の名前は、ちゃんと記憶しているのに・・・・・・。


「・・・・・・流也。悪いけど、俺らもう帰るわ。」

「あ、ああ。わかった。」

「じゃ、あとは頑張れよ。」

「じゃあね、綾羽。流也。」


そう言って、美緒と藤樹は帰っていった。

多分、綾羽の記憶能力検査に付き合ってられないんだろう。


「・・・・・・。」

「・・・・・・。」


何の言葉も出ない。

気まずい空気が、部屋に流れる。


・・・・・・綾羽が記憶をなくさないようにする方法はないのか・・・・・・。

治療法も、治療薬もない。

あとは、すべての記憶が消えていくのを待つだけ・・・・・・か。


「!!!」


その時、頭にふと、いい考えが思いついた。


「・・・・・・綾羽、今から日記つけないか?」

「・・・・・・え?」
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