実恋
下駄箱には私を待ってくれている健二の姿があった。
「健二降りるのはやいー。」
「悠莉乃がおそいんだよー。」
キラキラ光る健二の笑顔。好きだなぁ。
「すきっ。」
かなり小さな声でいった。
「なんか言った?」
「別にぃー?」
そう言って私は学校から走り出す。
「あ、ちょい、まてよー!」
後ろから追いかけてくる健二。速い。
「つかまえた!」
私の腕をがしっと掴む健二。いたずらっぽく笑う健二。
「つかまった!」
結構疲れた。
「あー疲れた。」
「自分から走ったんだろー。」
「まぁ、そーだけど。」
「ん。」
左手を差し出す健二。
「ん!」