キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
「あの人達は、私をどれだけ地獄に突き落とせば気が済むの?私が何かした?こんな風に見捨てるならどうして私を産んだの?どうして妊娠した時点で堕ろしてくれなかったの?どうして……っ、どうして私だけがこんな思いをしなくちゃいけないの⁉︎私は、こんな人生を送るぐらいなら産まれて来たくなかった!私なんて、私なんてっっ……‼︎‼︎」
「サチっ‼︎‼︎」
私の言葉を遮って、シュウが私を強引に抱き寄せた。
私の背中に回るシュウの腕は震えながらも力強く、だけど優しい。
温かい……
心地いい……
大好きなシュウの温もりに、心が少しずつ落ち着いていく。
「“私なんて”とか“産まれて来たくなかった”とかそんなこと言うなよ」
「シュウ…」
「俺は少なくともサチを産んでくれたこと感謝してる。俺はサチに出会えて最高に幸せなんだ。サチがいなかったら、ただ敷かれたレールを歩くだけのつまらない後悔ばかりの人生だった。サチに出会えたから変わったんだ。俺にはサチが必要なんだよ。だから、そんな悲しいこと言うな」
そう言って、シュウは私の首筋に顔を埋めた。
シュウの肩越しに見る景色は、涙でぼやけて見える。
だけど、さっきよりも明るく見えるのはシュウに触れているからだろうか。
シュウは不思議な人だ。
シュウに触れていると、私の傷付いて枯れきった心は水を得てみるみるうちに潤い、光を取り戻していくんだ。