キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
どのぐらい経っただろうか。
時間にしたら経った数分だと思うけど、途轍もなく長く感じた。
「帰ろう、サチ」
そう言って、手を差し出すシュウ。
その手に自分の手をそっと重ねた。
ドキドキする。
半歩前を歩くシュウ。
今はとてもじゃないけど隣りを歩けない。
顔は真っ赤に染まってるし、きっと私の激しい心臓の音がシュウに聞こえてしまうから。
シュウ。私、シュウが好きだよ。
世界で一番、シュウが大事。
こんなこと私が突然言ったら、シュウはどうするかな。
照れて顔を真っ赤にする?
それとも、目を細めて嬉しそうに微笑んでくれる?
シュウの気持ちを教えてくれる?
前を歩くシュウの背中に頭の中で問いかけた。
この時、なんで私は声に出してシュウに気持ちを伝えなかったんだろう。
思ってるだけじゃ伝わらない。
言葉にしなければ意味がないのに。
シュウとちゃんと向かい合って、目を合わせて言えば良かった。
私の気持ちを伝えた時のシュウの表情を見たかった。