キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
「でも、俺思うんだ。血の繋がった親子なんだから分かり合えるって。お互いを大事に思っていれば絶対に。時間は掛かるかもしれないけど、それを共に乗り越えてまた一から親子の関係を築いて深めていって本当の家族になる。そういう家族の形だってあるんだ」
「……うん」
わかっちゃった、シュウが私に伝えたいこと。
はっきりと言葉にしないけど、私の背中を押してくれてる。
私の中にある希望、それに対しての不安、迷いをシュウはちゃんとわかってくれてる。
わかってる上で、私が一歩踏み出せるように応援してくれてるんだ。
涙が一粒頬を伝った。
悲しいわけじゃない。
苦しいわけでも、辛いわけでもない。
ただ、シュウの優しさが胸に染みて涙が溢れた。
ねぇ、シュウ。
すぐには一歩踏み出せないかもしれない。
やっぱり怖いんだ。また捨てられるんじゃないか、とか、上手くお父さんとやっていけないんじゃないか、とか色々考えてしまうから。
何より私がお父さんを許せるのか、私もお父さんを大事に思えるのか、自分自身でもよくわからないし。
決断するまで時間はだいぶ掛かるだろう
。
それでも絶対に前に進むから、だからシュウ。
そばにいてね?
夕日を眺めるシュウの横顔に胸の中で問いかける。
シュウに私の心の声は聞こえてないはずなのに、シュウは私を振り返って優しく微笑んだ。