キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
身近な最期
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殺風景な六畳の和室。
部屋の端には正方形の机が置かれ、仕事関係の資格取得の本が数冊、本立てに並んでいる。
カラーボックスには冬服が綺麗に整頓されており、スーツやワイシャツ、ネクタイがスーツラックに掛けられている。
一つ一つ手に取って丁寧にダンボールに詰めていく。
シュウの荷造りは私がやらせてもらうことになった。
元々、実家から此処に出てきた時に持ってきた荷物は大きめのボストンバッグ一つだけだったので、荷造りと言ってもダンボール二つ程にしかならない。
数本あるうち、一本のネクタイを手に取る。
紺の記事に青系統のストライプが入ったネクタイ。シュウの就職が決まった時に私がプレゼントしたものだ。
シュウはそれを週の半分以上は身に付けて出勤してくれていた。
私はその姿を見る度に嬉しくて口元を綻ばせていたっけ。
この資格取得の本は、二人で隣町の大きな本屋に行って選んだものだ。
試験前日、私が問題を出してシュウが全問正解した時、裏表紙に大きく赤い花丸を書いた。
その花丸を指でなぞりながら思い出す。
シュウが真剣に勉強する姿は本当に格好良くて、お茶を持っていく度に見惚れていた。
そんな私に、シュウはいつも「サチの変態」と笑いながら、おでこに軽くデコピンをしてきたんだ。