キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
「ご挨拶が遅くなってしまったばかりでなく、電話でのご挨拶になってしまいすみません。いつかはご自宅までお伺いしようと思っていたのですが」
「いえいえ、お気になさらずに。サチホさんから事情は聞いております。何はともあれ、二人が再会し話し合えたこと、私も嬉しく思います」
二人が二、三言葉を交わしているのが、何か妙に不思議で複雑な気持ちになった。
実のお父さん。そして、お父さんのような存在の大好きな哲二さん。
決意は固めたつもりだったけど、この期に及んで揺らぐ。
シュウという支えが私の中で大きかったから、それが不安定な今不安が押し寄せてくる。
「今日は皆さん揃ってどなたかのお見舞いですか?」
お父さんが何気なく言った一言に、ドキッと心臓が唸る。
そうだ。今はシュウの所へ急がなくちゃ。お父さんには悪いけど、ここで時間を無駄には出来ない。
お父さんと今後どうするかってことも、今は考えない。
それよりも、早くシュウに会いたい。
側に行きたい。
「ええ、まぁ……そんなところです」
「この病院は初めてですか?ご案内致しましょう」
哲二さんと菜摘さん、そして私は一度三人で目を合わせる。
確かに、シュウの病室が何処なのか、これから受付に聞こうと思っていたところだった。
「それでは、お願い出来ますか?心臓外科まで」