キミノカケラ〜群青色の空と君と〜


「サチホちゃん。頭を上げて?」



優しいお母さんの声が聞こえ、ゆっくりと頭を上げると私は目を開いた。

辛そうな顔ではなく、どこかスッキリしたような晴れやかな表情のお母さんがそこにはいて。

それが凄くシュウに似ていて。

目尻に涙がじわりと滲んだ。



「落ち着いたら、シュウに会いに来てあげてね」


「いいんですか……?」


「勿論よ。サチホさんならいつでも大歓迎。シュウも喜ぶわ」



嬉しかった。
お母さんには少なからず良いように思われてないと思ってたから。



「ありがとうございますっ」


「その時は、シュウの話たくさん聞かせてね」



お母さんはそう言うと、笑顔で手を振って式場に戻って行った。




車に乗り込むと、静かに発車する。
私は貰ったノートの表紙をジッと見つめると、一枚一枚捲っていった。


半分以上捲っても、やっぱり何も書いてない。

このノートに何があるんだろう。

はぁ、と息を吐いた時、私の手はピタリと止まった。




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