キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
最期の場所にするなら、人気がないトコがいい。
誰にも……特に“あの人”には絶対に見つからない場所。
どうせ私がいなくなったって何とも思わない。むしろ、清々するんだと思うけど。
子供を急に見かけなくなったら流石に周りが気付く。
ずっと見つからないまま、“あの人”が困ればいいんだ。
空が黒く染まる。
私の心の中と同じ、ドス黒い色。
もう私の中は何年も何年も暗く、光なんて差さない。
「時計広場か」
駅前の商店街を抜けるとすぐに広がる時計広場。
“眠らない街”と言われるだけあって、ここはいつも賑わっている。
時計の前でギターを弾き語る若い男性。
その周りを数人の客が囲っている。
広場の中央では、数人のグループがストリートダンスを踊り。
ベンチには甘い雰囲気の若いカップル。
ここにいる人は皆幸せそうに笑っていて。
それを冷めた目で見つめる私。
なんでこの人達はこんなに笑えるんだろう。
生きる意味って、何?
どうして生まれて来たの?
何で私はここにいるの?