キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
やがて六時間目終了と、一日の終わりを告げる終業のチャイムが続いて鳴った。
一気に騒がしくなる校内。
サッカー部や野球部が準備体操を始め、微かに体育館からバスケットボールをつく音も聞こえる。
この時期、日が落ちるのが早い。
今はまだ明るいけど、あと少ししたらこのトイレは暗くなるだろう。
その前には出たい。
暗いところは余り好きじゃないし、こんな狭い所にいるのはそろそろ限界だ。
近くを通る人の足音がしないか注意深く耳を澄ましていると、数人の足音が聞こえた。
「あ、あの…すみません!助けて下さいっ!」
これを逃したら今日は出れないかもしれない。
私は気付いてもらえるようにドアをドンドンと叩き、声を張り上げた。すると。
「大変!すぐに助けてあげるから!」
誰かが気付いてくれて、外から声を掛けてくれた。
とりあえず、これで一安心。ここから出られる。
ホッとして、再び便器の蓋に座ったその時。
バシャーーッ‼︎と、上から大量の水が降ってきて、私は一気に全身ずぶ濡れになった。
何、これ……なんで…?
突然のことで上手く頭が働かない。
誰かわからないけど、今助けてくれようとしたんじゃないの?