キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
部屋に入ると、そのまま机に突っ伏す。
シュウにはもう会わない。
自分で出した答えなのに、悲しくて辛くて涙が一気に溢れた。
最初はあんなに嫌いだったのに、シュウの存在は私の中でいつの間にか凄く大きくなってた。
自分が思っていた以上に、私はシュウのこと好きになってたんだ……
女性警察官は、私の隣りに静かに腰を下ろすと背中を優しく撫でてくれた。
補導されて数時間が経った。
一人で待たされてた部屋にさっきの女性警察官が入ってくると、「鷹野さん」と私の肩に手を置いた。
「お母さん来たから、もう帰ってもいいわよ」
「え…迎えに……来た?」
心臓がドクドクと激しく波を打ち始める。
母親とは一ヶ月ちょっと振りに会う。
しかも、最後に会ったのは母親が凄く泥酔してたあの日。“産まなきゃ良かった”と、最低な本音を聞いて以来だ。
あんな事を言われた後だし、もう迎えには来ないと思ってたけど。
まさか迎えに来るとは思いもしなかった。
「お母さん、ちゃんと迎えに来てくれたじゃない。もう夜遊びなんてしちゃ駄目だよ」
そう言って、警察官に促されるがままに部屋を出る。
心臓を吐きそうなぐらい嫌な緊張が私を襲う。