キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
急に雨が降り出す。
一気に強くなる雨に打たれながら、私は鎖で雁字搦めになったように重い足を動かした。
時刻は夜中の三時。
大通りに出れば一台ぐらいトラックが走ってるだろう。
あーあ……最後にシュウの笑顔が見たかった。
それだけが心残りだけど。
横なぶりの豪雨の中、ふらふらと大通りに出ると車道の脇に立つ。
視界は最高に悪い。好条件かもしれない。
まだ薄暗い道を眩しいライトが通り過ぎてく。夜中にしては結構な交通量だ。
あ……あのトラックなら……
視線の先には大型トラック。
この雨の中、スピードはそこそこ出してるように見えた。
目を閉じて、ふぅ、と息を吐く。
さようなら、シュウ。
最後の一ヶ月、シュウと出会えて幸せでした。
どうか、シュウの病気が良くなりますように。
シュウが幸せでありますように。
決意を固め、車道に出ようと足を踏み出そうとした、その時。
「ーーーっ、サチっ‼︎‼︎」