キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
次の日から、シュウは職探しに明け暮れた。
職安に行ったり、直接出向いてみたり。
朝から晩まで動き回るシュウを見て、私も負けられないと思った。
私は年季の入った菜摘さんのミシンを借りて衣装作りに没頭する日々が続いた。
今まで手縫いで製作してた分、機械に変えて制作時間が一気に短縮出来、そのお陰で私の製作意欲もぐんっと上がった。
売り上げはうなぎ登り。
今までの数倍になった。
幸いにも、一週間でシュウの仕事も見つかり、私達は充実した日々を歩み始めた。
時には菜摘さんと布を買いに隣街に出たり、四人で外食をしたり。
家事はもちろん、時には医院の受付のお手伝いもさせてもらった。
毎日が楽しくて、本当の家族のような時間で、あっという間に一ヶ月が過ぎた。
「シュウ、サッちゃん。ちょっといいかな」
そんなある日、朝食を食べ終えた後、哲二さんが厳粛な雰囲気で話し始めた。
「明日、シュウの両親が此処に来る」
「え……? 」
哲二さんの唐突で衝撃的な発言に、シュウも私も目を丸く見開いた。
「実はな、お前達が此処に来た日、電話しておいたんだ」
「なんで…そんなっ……」
シュウは両手でバンッと机を叩くと、前のめりになって声を上げた。