キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
「お前はまだ未成年だ。親は保護者としての責任がある。あいつらのことだ。急にお前がいなくなって居場所もわからなければ警察沙汰になっていたぞ?何が何でも強制的に帰らせたはずだ」
「それはっ…そうだけど」
「一ヶ月見守ってやってくれって頼んだ。お前の体のことはもちろん、生活は責任もって俺が見るからって説得して、渋々納得したよ。明日は二人がここに来てちょうど一ヶ月。約束の日だ」
明日、シュウのご両親が来る。
どうなるんだろう……
あのご両親が、これからもこの生活を続けることを許してくれるのだろうか。
もしかしたら、この充実した日々に終わりが来るかもしれないんだ。
「お前の素直な気持ちをぶつけてみろ。あんなんだってお前の親だ。真正面から気持ちを伝えれば絶対にわかってくれる」
「……わかってくれなかったら?」
「わかってくれるまで訴えかけろ。これからどうしたいか」
シュウは唇を噛み締める。
シュウの中で、色んな感情が渦巻いているんだと思う。
「シュウ。ここに来た時に言ったよな?俺の人生だって。その通りだよ。親が子供の人生を決めるなんてあってはいけない。だけど、あいつらがここまで極度の過保護になったのは、シュウのことを思ってのことなんだ。健康な体に産んであげられなかった分、将来安泰な生活が送れるようにあいつらなりに必死なんだよ。それもわかってやってほしい。それでも、シュウはヤワな男じゃない。自分のことは自分で決めて歩いていける強い男だ。そうだろ?」