キミノカケラ〜群青色の空と君と〜
「話し合えばわかる。あいつらはお前のことちゃんと大切に思ってるから」
シュウが目を閉じて膝の上で拳を握る。
私がその小刻みに震える拳をそっと握ると、シュウはビクッと目を開けて私を見据えた。
「シュウ、大丈夫だよ。絶対に大丈夫」
そう言って、私は微笑んだ。
シュウの手が思っていた以上に冷たい。
きっと不安なんだ。怖いんだと思う。
私はシュウの手が少しでも温まるように力を込めた。
「やっぱり家族は仲が良いのが一番。シュウの両親には一度しか会ったことがないけど、シュウのこと大事に思ってるからこそ、補導された日ああやって私に言ったんだよ。それがシュウのご両親の愛情なの。話し合ってわかりあえれば、きっと家族はうまくいく。シュウだって本気で親と離れたかったわけじゃないと思う。だって、本気で離れたかったら此処には来ない。此処に来たら絶対にバレる。居場所を知られたくないならもっと遠い地へ行くはずでしょ?」
シュウは口元を緩めると、微かにコクンと頷いた。
それを見て、何だか嬉しくなる。
シュウには私のように孤独な思いをしてほしくない。
私にはもう無理だけど、家族を大事に。
幸せになってほしいんだ。
だって、家族ってかけがえのないものでしょう?