キミノカケラ〜群青色の空と君と〜


カップラーメンを食べ終えると、流し台に片して洗面所に向かう。


案の定、母親がさっき置いていった洗濯物が山のように洗濯カゴに入ってる。
これを次に帰ってくる時までに洗濯して畳んでおかないといけない。


これを放置しておくと、また面倒なことになる。大事な服が縮んだりなんかした時は面倒なんてもんじゃない。


はぁ、とため息を吐くと、私は憂鬱ながらも洗濯機を回した。


洗濯機が回ってる間、部屋に戻る。


殺風景な、ほとんど何もない部屋。
あるのは小さい頃に使っていた三段のタンスと折り畳み式の丸いテーブル。薄っぺらい布団と段ボールで作った本棚に本が数冊。


そして、服の下に隠してある、私の宝物の人形だけだ。


服はよれたのが数着しかない。カバンは学校の通学用のカバンと使い古したトートバッグのみ。


化粧品もお洒落なシュシュやアクセサリーも、携帯電話もない。


それどころか、この家には暖房器具やテレビ、掃除機、食器や調理道具など必要最低限の生活用品すら揃ってないのだ。


揃ってないというよりも、壊れたまま、と言った方が正解かもしれない。


今使える家電が壊れたとしても買い直すことはまずないだろう。



私はここで……
母親も父親もいない冷え切ったこの家で、小学校三年からほとんど一人で生活してきたんだ。



< 9 / 180 >

この作品をシェア

pagetop