一途な恋がしてみたい


うっっ、重いっ、、、
っていうか誰よ!!

「おい、亮、しっかりしろよ!」

“リョウ”っていう名前らしいこの人は、わたしの肩に倒れたまま動かない。
ん、?待った。リョウって、どっかで聞いたことあるような…

「サクヤ先輩!この人、どうしたんですか??」

「こいつ、たまに意識失うんだよ。理由は知らないがな…」

サクヤ先輩は、冷静な態度をとる。
すると、

「んんっ、あ、またかよ」

リョウって人が起き上がる。
すると、私の顔を見て、

「おい、もしかしてお前、茉央か?」

あ、やっぱり。

「亮、なの?」

「おっ!やっぱり!?茉央だったのかー!!どうした茉央〜」

「どうしたって、なんで亮が先輩の学年なのよー、同い年のくせに」

「突っ込むの、そこから?
まぁいいや、俺頭いいからさぁ、一個上に上がったんだよな、学年。」


そう、亮と私は、お互い家を行き来するほど仲の良い、幼なじみ。
家も、お隣さんで、部屋が偶然にも隣で、ベランダから行き来していた。お隣さんだった。
でも、亮は、いきなり転校して行った。連絡先も、新しい学校も知らされていなかった私は、ずっと頭の中がモヤモヤしながら、今日までを過ごしてきていた。

「亮、今どこに住んでんの?」

「俺は、また前に戻るよ」

「え、じゃあ、亮のお父さんとお母さんにも会えるんだね?」

「いや、それはもうない。」

亮が、いきなり深刻そうな顔で言ったから、私は何かを感じた、けど、これ以上聞くのはダメだと思って、そうなんだ、と流した。

「あっ、あの〜、あともう1人紹介して良いかな、、?お取込み中ごめんね?」

サクヤ先輩の事を忘れていた。

「今、そこでさっきから何事も無かったようにヘッドフォンで音楽聴いてるヤツ、岩田紗南。『サナン』って呼んでやってね」

サナン先輩は、私の方に気を向ける様子もなく、ひたすら音楽を聴いている、マイペースな人なのかな?


よし、メンバーを紹介してもらったところで、私は今日から、このイケメン達とバンド活動をしていきます!
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