【短編】甘い罠
「・・・まさかここ数日、俺が来なくて寂しかったとか?」




その言葉にびっくりして顔を上げてしまった。


まるで私の心を一瞬にして見透かしたかのようで驚いた。


だけど彼はその後に“なーんてな”って悪戯に笑ってた。


冗談だなんて気づかなくて、恥ずかしくなった。



・・・きっと今の私は顔が真っ赤だよ・・・。







「って、えっ?・・・マジで?」




不意に見られた私の顔。


きっと今日はオレンジの光でもこの赤は隠せない。







だっていつもよりも、近い距離。






隠しても無駄だって思ったから、私は素直に頷いた。





すると意外にも私以上に彼のほうが真っ赤になった。
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