【短編】甘い罠
「ちょっ・・・めっちゃ嬉しいんだけど。」
彼はそう言って手で顔を隠しながら、ペタリと床に座り込んだ。
もう私のことなんて何とも思ってないって、思ってたから。
その言葉とその表情がすごく嬉しくて。
私の気持ちを伝えるなら今しかないって思った。
「・・・好き。」
自然と亮太君と視線が交わって。
見つめ合ったまましばらく時間がすぎた。
今度は私がちゃんと、言葉にする番かな。
「もう私のこと嫌いになったから、来なくなったんだと思った。」
「はっ!?んなワケないじゃん!!」