【短編】甘い罠
「可愛い。」



その言葉を聞いた瞬間、私は亮太君の腕の中にいて、抱きしめられてた。


好きな人のあたたかなぬくもりに包まれるのって、こんなにも幸せなことだったんだね。


私もそっと彼の背中に腕を回して小さく抱きしめ返した。





今日のオレンジの光は、私達をあたたかく包んでくれているような感じがした。








「だけど、まさか寂しがって泣いてるとは思わなかったよ。」



「だって最後に会った日、なんかいつもと違ってたから。

その次の日から来なくなってさ、もう私のこと嫌いになったのかな、って思っちゃって。」





「あー・・・たしかに、その日は沈んでた・・・かも?」
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