家 庭 教 師 。~2時間だけの恋心~
「…………あ。」

隣では、はぁと額に片手を当てながらため息をついてる母。

私の前では、目を見開けてかなり引いてる先生。


やってしまった…。
「…す、すみません。」

「本当にすみません、先生。この子、何か言うと絵のことしか頭になくて…。どうぞ、狭い所ですがお上りください。」

お母さんが笑顔でフォローを入れてくれた。

「……は、はい。」


先生が靴を脱ぎ始めた所で、お母さんに耳打ちされた。

「…早く自分の部屋に案内しなさい、」

私は小さく頷くと、こちらです。と階段を登った。




部屋に入って、椅子に座るが…。

気まずい…。


「…と、りあえず、勉強始めるから。」

「あ、はい。」

そうだよね。
そのために来たんだもんね。

「…じゃあ、始めはテストから。それぞれ、10分でといて。始めは数学。」

「…はい。」

よかった、無かったことにしてくれるっぽい。

先生が高そうな腕時計を見ながら、始めの合図をする。

それと同時に鉛筆を動かす。

お、以外と解けるじゃん。




と思ったのも、束の間。


最初の一二問だけだった。
テストはB5の用紙で下の方にもずらっと問題が並んでる。

ざっと10問。


全然わかんない…。

てかこれ、確か1年の問題じゃないか?
あれ?
学年間違えられてる?

てか、1年の内容も解けない私って…。


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