家 庭 教 師 。~2時間だけの恋心~
「よしっ。」

どうやら丸付けが終わったようだ。
ふうっとため息をつくと何故か深刻そうな顔でこちらを見た。

「凄いね、特に数学が。」

褒めては…、

もらってないよな。


「1年の問題すら、ろくに解けてないとかいったい今まで何してたんだ?」

先生はあり得ないといった顔で私を見る。

「……寝てた。」

「一年の授業は聞かなきゃなー。なー?」

「…うん。」

「いつもテスト何点なの?」

「いつも?いつもは……。うーん。」

「嘘つかずに言え。」

「国語以外一桁。」


これには先生も驚いたようで、目を見開いている。

そしてやっと出てきたのが、
「……………うっわぁ。」
だった。


嫌な顔をするかなと思っていたから、次の先生の表情には驚いた。


先生はニヤッと口の端を上げ、やってやろーじゃんって顔でこちらを見た。


思わず心を持っていかれそうになって、慌てて引き止めた。


すごく男の子って感じの表情だった。

それに見惚れてたら、上からとんでもない言葉が降ってきた。

「とりあえず、次のテスト50点以上な。」
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