家 庭 教 師 。~2時間だけの恋心~
in昼休み

「だーかーらー!ごめんってば」
何故私が弁当も食わずに謝り続けてるかというと。


「煩い煩い。絶対今日だって言ってたじゃん!」


愛莉が頑固なせいだ。

長澤愛莉【Nagasawa Airi】。
私が中学に入ってすぐ、席が前後だったことから仲良くなった、友達。
……親友?みたいな?
絵を描くことが好きらしくて、美術部に入った。
私も絵を描くことが好きで美術部に入ったから、話しも合うし一番気軽に話せる相手だ。
頑固で大雑把な割に愛莉が描く絵は凄く繊細で念密に描かれている。
もっと表情をつければ柔らかくなるのだが、それが難しいらしく、今後の課題らしい。
残念な事に2年になって、クラスが離れてしまったが、こうして昼休みになると部室に来て一緒にお昼を食べてる。

「愛莉、煩いよ。志帆がこんだけ謝ってんだからもういいじゃん。」
先生、ないす〜。

「良くないよ先生!前々からやくそくしてたし!」

「ごーめーんー。」

「知らない!」

そして、美術部の顧問。
早瀬龍【Hayase Ryu】。
凄く大人っぽいのに、高卒で今はまだ19歳。
この学校、どうも先生の人手が足りないみたいで19歳なのに採用されたんだって。
まぁ、聞いた話しによると、大学は推薦あったけど面倒くさかったから行かなかったとかどうとか。
で、美術部の顧問なんだけど、なんとこの部活。
部員が私と愛莉の2人だけな訳。
なんでかってゆーと、先生が来たからって去年初めて美術部を立ち上げたらしい。
言ってしまえば、私達と先生はこの学校にいる年は同じ。
言っちゃえば気軽だよね。
若いし、話しやすい。
イケメンだし。←
それに、愛莉は先生の事が好き。
恋愛感情で!

いいよね。
こんな近くに好きな人がいるとか。
まだ告ったりはしないらしい。
見てるだけで幸せなんだって。

………………乙女か!
って思わず突っ込みたくなる。

けど、多分この先生は気付いてると思うんだよね。
多分だけども。
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